▼167号
「東北・秋田駒ヶ岳阿弥陀池のカエル」
【概略】
秋田駒の最高峰女目岳と男岳の間には阿弥陀池があり、そばには避
難小屋もある。ある夏この避難小屋に一泊。夕食も終わったころ、
小屋の外から笛の音のようなきれいな鳴き声が聞こえた。カジカガ
エルだ。その声に誘われガスの中、池のまわりを一周してしまった。
・秋田県田沢湖町と岩手県雫石町との境
▼【東北・秋田駒ヶ岳阿弥陀池のカエル】
秋田県と岩手県にまたがる秋田駒ヶ岳(標高1637m)は、女目岳(お
なめだけ)、男岳(おだけ)、女岳(めだけ)、それに横岳に分かれ
た円錐二重式火山で、秋田駒ヶ岳という山の名はその総称だそうで
す。
この山もその名のように馬にちなんだ山です。その名の由来は山の
形が馬に似ているからとも、また、雪解けのころこの山の横岳の山
腹にたくましい馬の形が黒くあらわれるのが山名の由来だとか。
かつてはそのたくましく奔走する馬を雄馬にみたて「雄駒箇嶽」、「雄
駒嶽」と呼んだそうです。昭和46年(1971)まで女岳山頂の数十m
下から噴火していたといいます。
最高峰女目岳と男岳の間には、阿弥陀池があり、そばには避難小屋
もあって、登山者の憩いの場になっています。
ある夏、この避難小屋に一泊しました。夕食も終わったころ、小屋
の外から笛の音のようなきれいな鳴き声が聞こえてきます。カジカ
ガエルです。その声に誘われて外に出ます。
静かに近づき、その姿見ようとするのですが、すぐに鳴き止んでし
まいます。また少し先に行き、のぞき込みますが見えません。そん
なこんなでガスの中、池のまわりを一周してしまいました。
そろそろ夕暮れも近づきまわりの景色もはっきりしなくなり避難小
屋の中に入りました。それにしてもこのカジカガエルは冬どうやっ
て過ごすのでしょうか。
▼【データ】
【山名】・駒ヶ岳・秋田駒ヶ岳・雄駒箇嶽、雄駒嶽
【名山】
・(第13番)日本二百名山(深田クラブ選定・日本百名山以外に100
山を加える・日本三百名山にも含まれる) ・(含む)日本三百名
山(日本山岳会選定・日本百名山以外に200山を加える) ・(第16
番)新日本百名山(岩崎元郎選定) ・(含まず)花の百名山(田
中澄江選定)
【所在地】
・秋田県仙北市田沢湖(旧仙北郡田沢湖町)と岩手県岩手郡雫石町
との境。秋田新幹線田沢湖駅の北東10キロ。JR秋田新幹線田沢
湖駅からバス、駒ヶ岳八合目下車、歩いて1時間で秋田駒ヶ岳男女
岳(おなめだけ)。一等三角点(1637.4m)がある。地形図に山名
と三角点の標高の記載あり。三角点より南方342mに阿弥陀池があ
り、そばに阿弥陀池小屋がある。
【位置】
・三角点:北緯39度45分39.96秒、東経140度47分57.72秒
【地図】
・2万5千分の1地形図「秋田駒ヶ岳(秋田)」
【参考】
・「角川日本地名大辞典3・岩手県」高橋富雄ほか編(角川書店)1
985年(昭和60)
・「日本歴史地名大系3・岩手県の地名」(平凡社)1990年(平成2)
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