▼279号
「和歌山・法師山の狼誘出作戦」
【概略】
絶滅後も生存の情報があとを絶たない日本狼。それではいっそのこ
と探してみようと「日本狼研究会」の誘い出し作戦に参加した。山
頂からカナダ狼のテープを流し、豚のレバーの餌を谷底に投げ入れ
て反応を見る。雪の積もった足元にバイカオウレンが群生して花を
つけていた。
・和歌山県五條市
▼279号
「和歌山・法師山の狼誘出作戦」
1905(明治38)年に絶滅確認後も生存の情報があとを絶たないニホ
ンオオカミ。それではいっそのこと探してみようじゃないかという
わけで、「日本狼研究会」主催の誘い出し作戦が1995年3月25、26
日の両日、和歌山県の法師山で行われました。
まず、狼の縄張り意識の強いのを利用、カナダ狼の遠吠えを吹き込
んだテープを、山頂から一晩中流してその反応を録音。
一方で狼の出そうな所や獣道に、用意した豚のレバーを投げ込んで、
餌づけしようとの作戦です。
「日本狼はヤマイヌやウルフとは別で、イメージとは違い心やさし
い動物です」と主催者は胸を張ります。
機材設置後、登山口にテントがならび、たき火を囲んで狼談議。夜
が更けるにしたがい本降りになった雨は、雪に変わります。
翌朝、機材撤収に登った山頂は、一面の銀世界。残念ながら、録音
機には雨の音とジェット機の爆音だけ。雨の夜は動物は活動しない
といいます。
仕掛けられたエサも口をつけらていません。テープの「カナダ狼語」
では通じなかったか?
積もった雪の間からバイカオウレンが群生
して花をつけていました。
▼【データ】
【所在地】
・和歌山県五條市(旧西牟婁郡大塔村)。紀勢本線新宮の西30キロ。
JR紀勢本線紀伊田辺駅からタクシー、大塔村木守から歩いて2時
間で法師山。一等三角点(1120.2m)と、電波塔がある。そのほか
は何もなし。地形図に山名と三角点の標高のみ記載。付近に何も記
載なし。
【位置】
・【等三角点】緯度経度:北緯33度43分33.46秒、東経135度39分55.
11秒(電子国土ポータルWebシステムから検索)
【地図】
・2万5千分の1地形図「木守(田辺)」。5万分の1地形図「田辺
−栗栖川」
【山行】
・某年3月25日(金・曇り小雨)探訪
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