▼437号 「北ア・五色ヶ原は権現さまの遊び場所」
【概略】
遠くに槍ヶ岳、足元に高山植物。五色ヶ原は、昔から立山雄山神社
の本尊である、立山権現お遊びの花畑といわれています。またザラ
峠の西の刈り込み湖は、有頼が立山を開山したとき、毒蛇があちこ
ちにあちこちにウジャウジャいたという。あまりに多いので、立山
権現に祈願して、全山3里四方の蛇を刈り込み封じた池といいます。
この池は、いまも蛇の名所になっているそうです。
・富山県富山市立山町との境
【本文】は下記にあります。
▼437号 「北ア・五色ヶ原は権現さまの遊び場所」
【本文】
東は黒部湖を隔てて後立山連峰、遠く槍ヶ岳も望める広々とした平
地、北アルプスのど真ん中にある五色ヶ原。北は立山、南は薬師岳
の中間にあります。
池塘が点在するなかに高山植物が咲き乱れる別天地です。まさにこ
れこそ自然がつくった大庭園です。昔から立山信仰の聖地雄山神社
の本尊である立山権現のお遊びの花畑といわれています。
また近くのザラ峠の西の刈り込み湖は、有頼が立山を開山したとき、
あちこちに毒蛇がウジャウジャいたという。あまりに多いので、立
山権現に祈り、全山3里四方の蛇を刈り込んで、中に封じた池とい
います。その池はいまも蛇の名所になっているそうです。
ここはまた、富山城主佐々成政が厳冬の中、ザラ峠から信州に出た
故事で有名なところでもあります。五色ヶ原には2軒の山小屋があ
ります。
ある夏、木道の下の水場近くのキャンプ場にテントを張りました。
池塘に映る遠くの槍ヶ岳の影。まわりにはヨツバシオガマ、シナノ
キンバイ、コバイケイソウなどなど高山植物の花々。遠くで雷鳴の
音がしています。
剱岳北側からの登山道・早月尾根から縦走のオジン、オバンの体に
はちと効きます。小屋の人がテント場代を取りにきたのも知らず眠
りこけてしまいました。こんなことでは、立山権現と遊ぶにはまだ
時間がいりそうです。
▼五色ヶ原【データ】
【所在地】
・富山県富山市旧大山町各地区名(旧上新川郡大山町)と富山県中
新川郡立山町との境。立山室堂から歩いて5時間で五色ヶ原テント
場(2500m)。地形図になにも記載なし。一帯の地名として五色ヶ
原の文字あり。テント場より北西方533mに五色ヶ原山荘がある。
【位置】
・【五色ヶ原テント場】緯度経度:北緯36度32分14.07秒、東経137
度35分50.52秒(国土地理院「電子国土ポータルWebシステム」か
ら検索)
【地図】
・2万5千分の1地形図「立山(高山)」
【山行】
・某年7月29日(月・快晴)北ア五色ヶ原探訪
【参考】
・「山岳宗教史研究叢書10・白山・立山と北陸修験道」高瀬重雄編
(名著出版)1977年(昭和52)
・「修験道の伝承文化」:「山岳宗教史研究叢書16・修験道の伝承文化」
五記重編 (名著出版)1981年(昭和56)所収
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