▼662号 「ハクバ岳とシロウマ高山植物」
【概略】
白馬岳の高山植物で、シロウマの名のつくものだけでも15種とも20
種以上あるという。そこでどのくらいあるのか、あちこちの図鑑の
寄せ集めながら調べてみた。しかし18種しかどうしても見つからな
い。全部を列記した図鑑はないようだ。
・長野県白馬村と富山県朝日町との境
▼662号 「ハクバ岳とシロウマ高山植物」
【本文】
花の白馬岳というだけあってこの山の植物は800種にものぼり、シ
ロウマの名のつくものだけでも15種とも20種以上もあるといいま
す。
ところで白馬岳の名をハクバと呼び、観光営利に利用するようにな
ったと懸念した博物学者・矢沢米三郎は、「白馬岳」(昭和5年)の
中で、さすがに植物学者は白馬岳に関係ある植物にシロウマをつけ
たのは、山の正しい名前をそのまま残そうとする態度が伺われる、
というような意味のことを書いています。
そこで、シロウマとつく植物名はどのくらいあるのでしょうか。あ
ちこちの図鑑の寄せ集めながら調べてみました。
しかしシロウマアカバナ・シロウマアサツキ・シロウマイタチシダ
・シロウマイノデ・シロウマウスユキソウ・シロウマエビラフジ・
シロウマオウギ・シロウマスゲ・シロウマゼキショウ・シロウマタ
ンポポ・シロウマチドリ・シロウマツガザクラ・シロウマナズナ・
シロウマノガリヤス・シロウマヒメスゲ・シロウマミゾゴケ・シロ
ウマヤリカツギ・シロウマリンドウの18種しかどうしても見つかり
ませんでした。(全部列記した図鑑はないようです)
▼白馬岳【データ】
【山名】しろうまだけ
【異名】
・大蓮華山(おおれんげやま)
【由来】
・苗代づくりの目安になる黒い馬の雪形が由来。苗かき代馬岳が代
馬(しろうま)になり白馬岳になった。山頂の山名案内板は、1916
年(大正5)に新田次郎の小説「強力伝」のモデルとなった強力た
ちが持ち上げたものとされている。
【名山】
・深田久弥選定「日本百名山」(第45番選定):日本二百名山、日
本三百名山にも含まれる。
・岩崎元郎選定「新日本百名山」(第54番選定)
・清水栄一選定「信州百名山」(第54番選定)
・田中澄江選定(1981年)「花の百名山」(第68番選定)
・田中澄江選定(1995年)「新・花の百名山」(第69
番選定)
【所在地】
・長野県北安曇郡白馬村と富山県下新川郡朝日町との境。大糸線白
馬駅の北西10キロ。JR大糸線白馬駅からバス、猿倉から大雪渓経
由6時間15分で白馬岳。一等三角点(標高2932.2m)と山名案内板
がある。地形図に山名と三角点記号と標高2932.2m文字と南側に石
碑の記載あり。三角点より南南西方向362mに白馬山荘がある。
【位置】(国土地理院「電子国土ポータルWebシステム」から検索)
・【三角点】緯度経度:北緯36度45分30.71秒、東経137度45分30.77
秒
【地図】
・2万5千分の1地形図「白馬岳(富山)」。5万分の1地形図「富
山−白馬岳」
【参考】
・「山の紋章・雪形」田淵行男著(学習研究社)1981年(昭和56)
・「世界の植物・全120巻」(週刊朝日百科)(朝日新聞社)1978年
(昭和53)
・「植物の世界・号」(週刊朝日百科)(朝日新聞社)
・「牧野新日本植物図鑑」牧野富太郎(北隆館)1974年(昭和49)
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